携帯で自転車レンタル 福島県、郡山で社会実験

　サイクルポートと呼ばれる専用の自転車置き場で、携帯電話をかざすだけで自転車を無料レンタルできる社会実験が、福島県郡山市中心部で始まっている。福島県県中建設事務所の取り組みで、自動車移動の割合を下げることを目指した試みの一環。利用状況を分析して有効性を探り、今後の施策に反映させる。　利用のためには、事前に「おサイフケータイ」機能のある携帯電話でメールアドレスなどを登録する。慢性的に渋滞するＪＲ郡山駅周辺や郡山市役所など５カ所にサイクルポートを設置。計３０台の自転車を配置している。 　借りる時は、サイクルポートのＩＣリーダーに携帯電話をかざし、メールで送られてくる自転車番号と暗証番号でチェーンロックを解除する仕組み。返却はいずれかのサイクルポートに自転車をロックし、ＩＣリーダーに携帯電話をかざす。 　社会実験の費用などとして県は９４５万円を計上し、民間会社に業務を委託した。実験は１５日から３月７日まで。午前９時から午後６時まで利用できる。おサイフケータイ機能付きの携帯電話を持っていない人には、専用のＩＣカードを貸し出す。 　県中建設事務所によると同様のシステムでのレンタサイクルは東北で初めての試み。同事務所は「自動車に頼らない都市づくりに向け、今後もいろいろな取り組みを進めていく」と話している。 2010年02月25日木曜日　河北新報