あきたポタリング日記

ポタリングとは、気の向くままに自転車で散歩をすること。 四季の美しい風景の中を のんびり走るのが好きです。 自転車に乗れないときは、不定期更新日記になります。

自転車通勤 事故相次ぐ  「健康・節約」人気の陰で

劣悪な道路環境 目立つ交通マナーの不徹底 「人身」昨年2442件  健康・節約志向から、自転車通勤に注目が集まっている。県民1人の自転車の保有台数が0・77台で全国1位を誇る埼玉県。企業や自治体も自転車通勤を後押しするが、交通ルールの無視や、車優先の道路環境から、事故が後を絶たないのも実情だ。風が心地よい季節。くれぐれもご注意を。  「2年ほど前から『通勤用の自転車を』という声をよく聞くようになった」。さいたま市浦和区の自転車店「セオサイクル浦和東口店」の上辻善樹店長(37)によると、「趣味にも使える」と購入する20~40歳代のサラリーマンが目立つという。値段は3万~10万円と高めだが、変速機付きのスポーツタイプや、市街地を走るのに適したシティーサイクルが人気だ。
 上尾市の自転車メーカー「ブリヂストンサイクル」は昨年1月、本社敷地内にスポーツ自転車30台を収容する駐輪場を新設。自転車の整備や部品代として、距離に応じて毎月2900円以上の自転車通勤手当も出している。 二酸化炭素排出の削減、県内の主要道路の渋滞緩和が期待できる、と県も自転車通勤を推奨している。
さいたま市見沼区の男性会社員(32)は、自宅から約18キロ離れた都内の会社まで自転車通勤していた。先月22日、男性は午前7時前に出発。約3キロ先の市道交差点で、男性は左から来た乗用車にはねられ、死亡した。現場周辺は畑などが広がり、見通しは悪くない。ただ、交差点に近づくと、街路樹に遮られ、左右が死角に入る。 県警によると、昨年の自転車通勤中の人身事故は2442件発生し、死亡事故は7件起きた。64・3%にあたる1571件は出勤中だった。県警交通企画課は「気持ちが焦り、交通ルールを破ってしまうケースが多いのでは」と推察する。 1953件は自動車との事故。自転車側の一時停止や信号の無視も目立つという。 さいたま市浦和区の40歳代の女性は、自宅から2キロ離れた職場まで車で通勤しているが、「狭い道で電柱をよけようとする自転車にぶつかりそうになったことが何度もある」。 約24キロ離れた都内の会社まで、自転車通勤を続ける朝霞市の会社員渡部修司さん(44)は、日によってルートを変えているが、交通量の多い狭い道を避けられず、危険を感じることも少なくない。「広い道路でも、駐車車両があれば車道にはみ出すことになる。交差点での巻き込み事故で転倒し、1週間のけがをしたこともある」 鍵は、自動車と自転車の“すみ分け”だ。 県は、植樹帯や歩道などを利用し、総延長約700キロの自転車道網構想を打ち出した。県道路環境課は「県内の主要道路沿いには古い家が残り、狭い道路も多い。今後は市街地でも、自転車の通れる道を整え、安全な自転車通勤環境を整えたい」というが、一朝一夕に解決しそうにはない。  NPO法人「自転車活用推進研究会」(東京)の小林成基理事長は「自転車を囲む環境は発展途上」として、〈1〉ウエアは明るい色の柄物〈2〉ヘルメットを着用〈3〉自転車の前後左右に反射板を――との事故防止策を呼びかける。  「車と同様、ルールの順守はもちろん、ハンドルに買い物袋をぶら下げたり、傘を差したりしながらの運転をしないでほしい。環境が整い、皆がルールを守れば、自転車は時代に即した乗り物です」 (2010年2月24日 読売新聞)